こんにちは、くろしば司法書士事務所です。
今回は遺言の話の5回目。さて次は何にしようかな~、と思って、そういえば遺言執行者の話まだだったな~、と思い至りました。
ということで、今回は「遺言執行者、決めます?」です。
まずは「遺言執行者」って、遺言を執行するヒト、です。
はい、説明になってませんね(笑)
民法では、遺言執行者について、「遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。」とあります(民法1012条1項)。
まあ要するに、遺言しても、遺言の効力が発生するのは本人さんが亡くなったあと。実際に遺言のとおりに財産を相続したり遺贈を行うためには誰かがその手続きをしないといけないわけで、その手続きをするヒトが遺言執行者というわけです。
でも遺言がなければ普通、ご家族さんだったり、ご家族さんから依頼された士業の先生なんかが手続きします。最近は、銀行さんも積極的に相続手続代行をPRしてたりしますよね。つまりは、遺言執行者がいなくても手続きはできるんで、必ず決めないといけないものでもないです。
ただ、決めてないと、実際の手続き上、相続人さんから実印押してもらったり、印鑑証明もらったりなど手間が増えることが多いです。金融機関ごとに微妙に形式違いますし。それが遺言執行者が指定されていれば、遺言執行者単独で手続きできることがほとんどなので、その方が楽、というわけです。
では誰が遺言執行者になれるのか、という話。
民法上の規定は、未成年者と破産者はダメですよ、というだけ(民法1009条)。
なので、それ以外なら誰でもいいです。もちろんご家族さんもOK!あと、1人でなくても、何人決めてもOKです。
ただし、ご家族さんだと負担が重いな~、とか、ちゃんとできるのかな~、など不安があれば、士業の先生を指定するのもアリです。もちろん、普通その場合は報酬が発生するので、それも含めて遺言に記載することが多いです。まあ、遺言執行者指定する場合は、公正証書遺言にすることがほとんどでしょうし、その遺言作成をサポートする士業の先生にご相談して助言いただくのが一番確実だと思います。
ただまあ、遺言の中身と効力の回で書きましたが、遺言って単独行為で相手の都合無視して書けちゃうんですよね。なので、相続放棄や遺贈の放棄ができるように、遺言執行者に指定されてても、「いや無理!」って言えます。その場合、すみやかに相続人さんに「やらないんで」って伝えてください(民法1006条3項)。
それとご家族さんを指定するときに気をつけてほしいのは、いっぺん就任すると、辞任には正当事由と家庭裁判所の許可が必要です。「めんどくさいからやーめた」は通らないかと思いますので、指定するときも、就任のときもよく考えてから、をオススメします。まあでも、自分でできないから別の人に任せるよ、はOKです(民法1016条)。例えば、相続登記は司法書士に委任するとかは普通にありますしね。ただ、その依頼はちゃんと遺言執行者の方が行う義務がありますので、お忘れなく。
とまあ、決めておけば手続き的にだいぶ楽になるし、遺言の確実性が増すのが遺言執行者です。
ただし、責任も伴うのと、自筆で遺言書く場合は誰に依頼するか、適任が思い浮かばないこともあると思います。その場合はとりあえず決めずに、適任の方が見つかった段階で遺言を書き直すでもいいですし、無理して決めなくてOKです。士業の先生に頼むと報酬もかかりますしね。
そういった諸々を検討の上、遺言執行者の指定をするかどうか、遺言を書くときに考えていただければと思います。


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